ホスピタリティマナーを磨くには研修も有効

介護とは、介護サービスを受ける高齢者が自分らしく生活していくために、入浴や排せつなどを手助けする身体介助や生活支援を行うことだ。しかし、これらの技術だけを磨いていれば優れた介護ができるわけではない。よりよい介護をするためには、ホスピタリティマナーを磨くことが重要である。

ホスピタリティマナーとは、思いやりの心をもって接することをいう。ただ身体介助をするのではなく、高齢者を一人の尊厳ある対象としてとらえ、尊重して接する必要がある。ホスピタリティマナーをもって接すれば、高齢者も安心できるので、作業効率が上がるという実利もあるのだ。

ホスピタリティマナーは、挨拶や身だしなみ、言葉つかいや態度などに現れる。そのため、ホスピタリティマナーを磨き介護のスキルアップを望むなら、まずは言葉遣いや身だしなみに注意を払うことから始めよう。1つひとつの作業の前には挨拶をし、丁寧で威圧感を与えない接し方や清潔感のある格好を意識するとよい。また、傾聴の姿勢を磨くこともスキルアップにつながる。

高齢者にとって介護現場は生活の一部であり、介護職が自分に関心を持ってくれることで共感や安心感につながる。相手の話を聞き意見を否定せず、尊重している姿勢をとることが重要だ。ホスピタリティマナーのスキルアップのためには、専門家の研修を受けることも有効だ。介護現場で働いていたとしても、高齢者の視点に立つことは容易ではない。それらの研修では、高齢者がどのような点に注目しどのように感じるのかを知ることができる。